FREAKS NO.08

RYUJI
SHINKAWA

どんな材質を、
どのサイズにどう切るか。
ウェーハ切削技術と
半導体の進化はリンクする。

VOICE OF FREAKS

INTERVIEW

株式会社東京精密

新川 竜司

工学部電子工学科

2017年入社

半導体の可能性とモノづくりへの興味から同社に入社。ダイサシステムグループに所属し、
ウェーハダイシングマシンのアプリケーションエンジニアとして、国内外の顧客を担当。

01.

直径300mmのウェーハから、
数千個のチップを切り出す技術。

大学で電子工学科を選んだのは、高校で音楽をかじった際に「弦の振動を電気信号に変えて音にする」というエレキギターの仕組みに興味を持ったことがきっかけでした。演奏するということ自体は途中で挫折してしまったのですが、そういったモノの仕組みを知りたいという気持ちは持ち続けていたんです。大学に入学してからは特定の分野に縛られず、自分の興味ある幅広い領域の学問に打ち込みました。電気回路などの基礎的な学問を起点に、様々な電子機器の仕組みも勉強していましたし、少し応用的な分野として脳波と睡眠の関係性の研究といったこともやっていましたね。そうやって自分が興味のある領域を少しずつ広げていくうちに、特に面白いと思えたのが半導体でした。パソコンもゲーム機も携帯もウェアラブル端末も、身近なあらゆるものが半導体で動いているということに将来性を感じ、その仕組みをもっと知っていきたいと思うようになったのです。

私たち東京精密の主力商品の一つが、ダイシングマシンという装置です。半導体の製造には、円盤状のウェーハをブレードと呼ばれる切削用の刃で3,000~5,000個の四角いチップに切り出す「ダイシング」という工程があります。その工程の中で、ブレードによる切削から化学薬品を使ったウェーハの洗浄、搬送までを自動で行うのが、ダイシングマシンの役割です。半導体技術の進化に対応するために、より小さくカットする技術を追求しつつ、生産性向上のために、より早く処理しながらもズレが生まれない精度の高さを求め続けています。それ以外にも「ブレードの摩耗量を抑えたい」「ブレードの欠けが製品に影響を与えないようにしたい」「ウェーハの研磨屑が装置内に残らないようにしたい」といった、お客様からの様々な要望に応じられるような技術を提供するために、日々開発を続けています。

02.

02.

半導体が進化すれば、
VRやARはもっと「リアル」になる。

現在、私の役割は、お客様の製造環境やウェーハの材質、要求される品質によって、ダイシングマシンをカスタマイズするアプリケーションエンジニア。テストを繰り返して、お客様の要望に対する答えを導く過程が、アプリケーションエンジニアの面白さであり、腕の見せ所です。経験値が増えると、解決方法の引き出しが増えて、どんどん仕事が楽しくなってきますね。
例えば、シリコンのウェーハなら、ブレードに混ぜているダイヤモンドの粒が小さいほうが表面の欠けを抑えられるとか、お客様のウェーハの性質を見極めて、最適な性能のブレードを選択し摩耗を抑えるといったことです。今後は、切削するウェーハの材質も変化するでしょうし、より小さくカットすることや、お客様のウェーハに合わせた特殊な切り方を求められるかもしれません。自分の引き出しを増やしていくことで、新たな切削手法を生み出すというところにまで繋げていければと、試行錯誤と勉強の毎日を過ごしています。

プライベートでは、アトラクションやゲームが好きで、テーマパークにもよく行きます。ゲームの最中に通信制限がかかったりダウンロードに時間を要したりすると、「半導体が進化すれば、通信量や速度を上げられて、ストレスなく楽しめるのに」と思います。VRのテーマパークで、重いパソコンを背負ってバーチャルの世界に入り込む体験をしたときは、「端末をもっと小型化したい」と感じました。快適さだけでなく、半導体の進化に伴ってVRやARの世界は、もっと「リアル」なものになっていくとも思っています。映画やアニメに描かれているような、バーチャル空間上での人々のリアルな交流体験とか、ゲームの世界を忠実に再現したリアルな主人公体験なんかも提供されるかなと想像しています。そういう夢のある未来を、エンジニアとして下支えできたらと思っています。

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