FREAKS NO.02

KUNIHIKO
TANAKA

技術やアイディアの
サイクルが早い業界。
いま夢中なのは
電磁力で
真空空間をつくり出す研究。

VOICE OF FREAKS

INTERVIEW

株式会社荏原製作所

田中 邦彦

電気電子工学専攻修了

2010年入社

精密機器事業部ME製品技術部で、クリーンな半導体製造環境をつくるために必要不可欠な
真空ポンプという製品について、電子と磁気の面から開発に取り組んでいる。

01.

「電気」という
見えない力に惹かれて

「どうやって、あんな重いものを持ち上げているのだろう?」高校時代にゴミ処理施設を見学したのが、電気電子工学に興味を持ったきっかけでした。大きな鉄や金属の塊を、機械で挟んだりせずに、電磁石だけで自在に動かしていたんです。「電気って、目に見えないけど面白いな」と。荏原製作所を選んだのは、大学の研究室と共同研究をしていたから。「研究の先にある実社会での成果を見てみたい」と思いました。東日本大震災のときに、荏原製作所が無償で給水ポンプなどを現地に提供していたのも決め手の一つでした。「社会に貢献してこその技術」という思いが、仕事のベースにいつもあります。

半導体の製造には、真空環境で物質の反応を促進する工程があります。現在は、その真空環境をつくるために空気や半導体製造に使用されるプロセスガスを吸い出す真空ポンプの開発を担当しています。ポンプの排気性能を向上させる手段のひとつにロータの回転速度を上げる方法があります。排気性能が向上できれば半導体の生産量、生産スピードを上げられます。
ロータを支える軸受には、ボールベアリングなどの機械的なものと磁気軸受などの電磁気的なものがあります。機械的な軸受は剛性が強いですが、摩擦が起きて一定以上の速さでは回せません。そのため、電磁力で軸を宙に浮かせる手法を取るのですが、その浮上制御が、僕の開発テーマです。

02.

02.

「成功すれば大発明!」が、
たくさんある業界

新しい技術の開発に取り組みたい人は、半導体業界がおすすめです。技術やアイディアが目まぐるしく変化して、日々新しいことにチャレンジすることのできる業界は、数少ないと思います。
入社以来、僕がアイディアを書き留めているノートは、11冊目。宝物です。時々見返しては、「あのとき、こういう実験したな」と、ニヤニヤしています。
今は、これまでのものと比較してもかなり大流量のポンプの開発に取り組んでいて、成功すれば大発明。一度に数倍の半導体が作れるようになります。
検証実験では、ポンプにロータを入れて、外から確認しながら磁気や電気を調整します。先日、初めて浮上に成功して、「浮いた、浮いた」「すごいじゃないか」って、みんなが集まってきて拍手してくれて。もう、両親に電話して報告しちゃおうかと思うくらい、うれしかったです。

近い将来、高性能な半導体が省スペースで速く大量に生産できるようになったら、自転車の自動運転を可能にしてほしいですね。道路にセンサーや磁気を埋め込んで、自転車のサドルに座って寝ている間に、会社に運んでもらいたい。どんな夢物語も現実にする力を、僕らは秘めていると思っています。
半導体の製造工程には、あらゆる分野の技術が必要です。ガスを流すには科学、ポンプのロータを回すには機械や電気、流体など。学生時代に自分が興味を持てることを頑張っていれば、活かす場は必ずあると思います。

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