FREAKS NO.01

TAKUYA
HIGUCHI

これからもうひとつ、
新しい地球が生まれる。
その大地となるのが半導体だ。

VOICE OF FREAKS

INTERVIEW

東京エレクトロン株式会社

樋口 卓也

工学研究科 物理工学専攻修了 博士(工学)

2018年入社

開発戦略部 戦略企画グループで、未来の半導体のあり方を最先端の情報をもとに分析し、
中長期的な会社の技術戦略を立案する役割を担っている。

01.

いまの半導体産業は、
たとえるなら「技術の総合格闘技」

私がこの業界に進んだのは、いろんな技術を巻き込んでダイナミックに進化を続ける半導体に惹かれたから。修士課程では“ナノテクノロジー”について研究した後、博士課程ではもうひとつ興味のあった“光”に関する研究に取り組みました。博士号取得後はドイツに渡って5年半ほど、引き続き“光”の基礎研究に従事。しかし、こうした純粋科学の研究は実用化までの道のりがきわめて長く、「もっとダイレクトに社会に貢献したい」とアカデミックの世界からの転身を考えるようになり、半導体業界に参画しました。

いまスマートフォンには無数のトランジスタが使われていて、そのコストはトランジスタ1億個あたりわずか数百円ほどです。考えてみればこれは本当に凄いことで、先人たちが過去50年かけて半導体の技術革新を積み重ねてきた賜物。科学技術の進歩が人々の生活に直結する最たる産業なんです。しかもこれから半導体をさらに進化させるためには、製造方法そのものも革新しなければいけなくて、物理や化学などの自然科学系の深い知見や情報技術との協創も求められている。まさに技術の総合格闘技状態です。私自身は、10年先、20年先の半導体産業を考える“戦略企画”という仕事に就いていて、学会に参加したり市場を分析したりしながら、想像力と思考力をミックスし、どんな技術の芽があるのかをリサーチしています。

02.

02.

デジタルテクノロジーが
実現する「もうひとつの地球」

未来を見渡すと、このまま世界の人口が増え続ければ、従来の経済では人類を賄いきれなくなるともいわれています。そんななか、デジタルテクノロジーによってまったく新しい経済が生まれようとしています。たとえば、いろんなモノをシェアすることで限りある資源を有効に活用する社会や、あるいは物理的に移動しなくてもVR(バーチャルリアリティ)で現実以上のコトが仮想体験できる社会も実現されつつあります。そうしたデジタルエコノミーの世界では既存の「お金」という概念に縛られることなく、世界中の人々が新たな基準で自由に価値を交換できるかもしれません。いわば、もうひとつ国境などを超越した新しい経済圏が生まれ、その中で人類は豊かさを手に入れていく。言葉の壁が取り払われて、いろんな人とコミュニケーションが取れる未来も、テクノロジーの力によって実現されつつあります。

そんなデジタルな地球がどこに創られるのかといえば、それは半導体の中。つまり、これから半導体産業に関わるのは、この第二の地球の大地づくりに参加することになるんです。「世の中の進化の鍵を握るのは半導体だ」という認識はますます強くなっていて、たとえば世界のIT業界の巨人たちも、半導体のプロセスエンジニアを採用して自社専用チップを開発しているほど。半導体産業はこれからも時代の最先端であり、ますますホットになっていく。私はそんな業界のなかで人類の明るい未来を描き、それを叶える力になりたいと思っています。

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